台風や地震などの自然災害時、停電となった場合の非常用電源を電気自動車に求める動きが高まってきています。どのような電気自動車が適するのか、なにを基準に選べばいいのか、などのポイントをわかりやすく解説します。
非常時の電源として電気自動車を利用する背景
電気自動車を非常時の電源として利用する背景には、近年、地震や台風などによる自然災害に
よる停電が発生し、そのためにさらに被害が拡大している現状があります。
突然、電気が使用できなくなると思いもよらぬ災害が発生します。
そして、停電が長引くとさらに被害は拡大していきます。
電気自動車を非常用として活用している現況
コンビニエンスストアのファミリーマートは、自然災害による災害で停電が発生したため
店舗の休業が相次ぎました。システム回線の断線が無ければ停電が発生した後でも
レジが動きさえすれば数時間は、営業が行えるとし、来年2020年の2月末までに
各地の店舗に非常用の発電機を配備しています。
その非常用の発電機とともに「ハイブリッドの車両」も配備されるということです。
記憶にまだ新しい、2018年の北海道胆振東部地震では、北海道札幌市に本社がある
「セイコーマート」は、この時の地震で発生した停電の時に電気自動車を利用し、
最低限の電源確保が出来たことにより、95%もの店舗が営業出来たと言います。
このとき、他のコンビニエンスストアのチェーン店では、停電によりレジが使えず
やむなく休業せざるを得なかったということです。
身近にできることから始めましょう
普通のガソリン車の場合、シガーソケットに「DC-ACインバーター」
をつなぐことで、スマホやパソコンを充電することが可能となります。
ただし、バッテリー容量(蓄電量)が小さいので、短時間でバッテリーが
上がってしまい、エンジンをかけられなくなります。
エンジンをかけっぱなしの状態であればOKですが、騒音や排気ガスなどで
近隣の人に迷惑をかけてしまいます。
シガーソケット↑
DC-ACコンバーター↑
出典:WWW.shachu-haku.com
DC-ACコンバーターとは、DC(直流)電圧をAC(交流)電圧に変換する装置。
クルマのバッテリーは、DC12Vの直流なので、100V電源で使用する家電製
品は交流なので変換する必要があります。
しかし、このDC-ACコンバーターでは、少し大きな家電となると消費電力も大きくなり
使用には、限界があります。
というわけで、大きな家電を使うには、クルマのバッテリー(蓄電池)の容量に関係がある
事が分かりましたね。
次に、蓄電池の容量が大きいクルマを探してみましょう。
電気自動車(EV)プラグインハイブリッド車(PHEV)
クルマに搭載しているバッテリーの容量が一番多いのは、電気自動車(EV)で、次にPHEV
そしてハイブリッド車の順となります。
当然と言えば当然ですが、電気だけで走る電気自動車が電気がたくさんあります。
電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド車の違い
・電気自動車(EV)とは、Electric Vehicleで、電気のみの力でモーターを回して走ります。
そのため、電気を充電して大容量のバッテリー(蓄電池)が必要です。
減速時は、モーターからの回転で発電し、バッテリーに充電します。
・ハイブリッド車(HV)は、Hibrid Vehicleで、エンジンとモーターが付いてます。
エンジンのみで走ることもでき、バッテリーは、小容量。
低速時はモーターで走り、減速時はモーターから充電します。
バッテリーの充電は、エンジンから自動的に行われて、クルマの外からは充電することは出来
ません。バッテリーの身の走行は2~3kmぐらいしか走れません。
・プラグインハイブリッド(PHEV)は、Plug-in Hybrid Electric Vehicle
バッテリーがHVより大きく、EVより小さく、外部から充電可能です。
バッテリーのみで30~50kmぐらいは走ることが出来ます。
では、このようなクルマからどのようにして電気を取り出すのか解説します。
ポイントは、バッテリー容量の多さの違いですね。
EV、PHEV、ハイブリッドから電気を取り出す方法
大きく分けると3通りあります。
①シガーソケットから電気を取る
②車内にある100Vのコンセントから電気を取る
③V2H機器を使用して電気を取る
①シガーソケットにDC-ACインバーターを接続して使用する
この場合、DC-ACインバーターの定格電力の数値超えるような家電は、
接続できない機器もありますので注意が必要です。
②車内に100Vのコンセントから電気を取ります。
ハイブリッド車の場合は、エンジンをかけてアイドリング状態にしないと作動することができ
ません。
電気自動車(EV)やPHEV車は、エンジンをかけずに、電気を取り出せます。
多くの場合、1,500Wまでの家電が使用できます。電気ポットや電子レンジなどです。
③V2H機器を使用して電気を取り出す。
V2Hとは、通常、家庭の電源から電気自動車やPHCV車に充電します。
停電などで必要となった時、電気自動車やPHEV側から家庭に電気を供給するシステムです。
この場合、クルマがV2H対応していることとパワーコンディショナー(直流電圧を交流電圧に変
換する)の装置が必要となります。
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